春日部市市民活動センター ぽぽら春日部金崎区自治会訪問記

金崎区自治会訪問記

【地域の課題】

金崎地区(自治会)でも、コロナ禍をきっかけに人が集まる機会が一気に減りました。以前は、日帰りの研修旅行や三世代交流の行事などがありましたが、感染症対策のために中止や縮小が続き、気がつけば「顔を合わせて話す場」そのものがなくなってしまいました。高齢化や担い手不足の状況もあり、「何かやりたい気持ちはあるけれど、自治会だけではなかなか難しい」というのが正直なところ。ただ、使われていない農地や地域の景観などの資源を活かす方法はないかと考えていました。

 

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     金崎区区長 中田 猛さん


現在の活動内容】

そんななかで、農林水産省の多面的機能支払交付金を活用した取り組みを進めている金崎区環境整備会(以下、環境整備会)と協力して,空き農地に花を植える取り組みが始まりました。自治会の人たちだけで作業するには大変ですが、整備会の人たちと協力してトラクターで農地を耕し、種をまき、苗を植えました。コスモスや菜の花が少しずつ咲くようになり、秋には「コスモス祭り」を開催しています。当日はカレーや焼きそばを用意し、毎回50人、多いときには100人ほどが自然と集まるようになってきています。                                                                 参加できない人も散歩の途中で花を眺めたり、「今年はどう?」と声をかけてくれたり。地域に花があることで、日常の会話が増えていきました。

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秋にはコスモス満開予定


【今後取り組みたいこと】

後は無理に大きくするのではなく、「続けていくこと」を大切にしたいとのこと。自然が相手なので、うまくいかない年もあります。それでも、秋のコスモス、うまくいけば春の菜の花と、季節ごとに楽しめる風景を少しずつ育てていきたいと考えています。また、イベントには太鼓を演奏する団体にも来てもらい大変好評でしたが、さらに外部の団体と一緒にできることも模索しています。「何かできそうな人」が関われる余地を残しながら、地域とのつながりを広げていきたいとのことでした。

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協働のタネ

この取り組みのポイントは、課題を自治会だけで抱え込まずに、その地域にある人のつながりやスキルなどの人的資源を活用できたことでした。環境整備会で取り組んでいた交付金の活用や人手、自治会の地域ネットワークが組み合わさることで、できることが一気に増えました。自治会と環境整備会で役員が重なっていることもあり、話し合いがスムーズに進んだことも大きな要因です。「誰かが引っ張る」のではなく、「できる人が、できるときに関わる」。そんな関係性が、花をきっかけに少しずつ地域に広がっています。

 


【訪問担当者の声】

 地域づくりの事例として取材に伺いましたが、空き農地に花を植えるという一見シンプルな取り組みが、地域の時間を少しずつ取り戻していく様子を、中田区長のお話から強く感じました。
毎年同じように見えて、実は少しずつ違う。人も、花も、関わり方も。無理をしないからこそ続いている——その当たり前のようで難しいことを、この取り組みが教えてくれました