レンガのお城美術館訪問レポート
『レンガのお城美術館』で夏休みに学習支援!
~レンガのお城美術館が目指す“まちの保健室~
地域の課題
こどもたちの不登校やいじめ、精神的な不調――こうした課題が全国的に深刻さを増すなか、春日部市も例外ではありません。家庭でも学校でもない「第三の居場所」の必要性が叫ばれている現在、学校の保健室ではケアしきれないこどもたちの心の問題に地域としてどう向き合うかが問われています。とりわけ、美術や文化に触れる機会の少ないこどもたちにとって、心の安らぎや表現の場が地域に存在するかどうかは、その後の成長にも大きく影響します。地域に根ざした小さな美術館が、そうした「心のよりどころ」としての可能性を拓こうとしています。
現在の活動内容
2024年7月、春日部市大沼に誕生した「レンガのお城美術館」は、影絵作家・藤城清治氏や洋画家・東郷青児氏の作品を所蔵・展示する私設の美術館です。
館長の松井さんは「養護教諭一種免許(保健室の先生の資格)を所持」されておられます。
「芸術を通じて子どもたちの心を育みたい」との思いを持って運営しています。
地域の人に絵を鑑賞していただくだけではなく、昨年から近隣の学校の校外学習や職業体験等の教育活動も受け入れており、ゆくゆくは「ここが“まちの保健室”のような存在になれば」と思い活動しているとのこと。
現在は3階のスペースを自習室として開放し、夏休み企画として「みんなで夏休みの宿題をやろう」と小学生向けの学習支援の活動を計画。元教員や学生のボランティアがこどもたちの宿題をサポートしてくれます。美術館が単なる鑑賞の場にとどまらず、安心して過ごせる雰囲気づくりを目指しています。
今後取り組みたいこと
今後は「こどもの居場所」としての役割を充実させていくことも視野に入れているとのことで、一度来たこどもたちが気軽に集まれる機会をつくり、悩みを抱えたまま日々を過ごすこどもたちにとっての“もう一つの保健室”となることを目指しています。特に、教育現場と連携を強め、保健室の先生方と情報を共有することで、学校とも信頼関係を築いていきたいと考えています。また、美術館という特性を活かし、表現活動やアート体験の場も積極的に提供していくことで、子どもたちの内面に寄り添う居場所にもなっていきたいとのこと。そのためにも地域の人たちに美術館の存在を知ってほしいと思い活動しています。
協働のタネ
「レンガのお城美術館」を、もっと地域の人たちに知ってほしい――そんな思いから、館長の松井さんはさまざまな協力を呼びかけています。学習支援や子ども向けイベントの企画・運営、さらにはSNSや施設の特徴を活かした取り組みなど、関わり方はさまざま。個人でも団体でも、「何かできることがあるかも」と思った方は、ぜひ一度足を運んでみてください。地域の誰もが無理なく関われる関係性が広がれば、レンガのお城美術館はより多くのこどもたちの心に届く居場所へと育っていくはずです。「ぽぽら春日部」との連携も視野に、協働の輪を少しずつ、でも確かに広げていこうとしています。
訪問担当者のコメント
ユリノキ通り沿いにあるちょっと目に付くレンガ造りのかわいい建物。
一見美術館とは気づかないかもしれませんが、実は非常にお洒落な美術館です。
芸術に関心のある方、是非一度見学に行ってみてください。
訪問情報
訪問日時 :2025年6月17日(火)14:00~15:40
訪問先 :春日部市大沼3-2-2
訪問相手 :レンガのお城美術館館長 松井麻優さん
訪問者 :市民活動センター「ぽぽら春日部」 遠藤豊・萩原・市川