「桐の会(ポロウニア・クラブ)」会報 環境学習:E07 2025年8月度 「SDGs目標2と目標3の学習」
■ 桐の会(ポロウニア・クラブ) 会員各位
桐の会 会報・環境学習会のお知らせ 会員 K.T.
8月の「環境学習会」・会報です。今年のテーマ「SDGs」から、今月は、目標2と目標3のターゲットとグローバル指標、進捗評価の一部を学習し、併せて、「私達は、何ができるか。」を、学びの中で、考えていきましょう。
■桐の会 会報 :「環境学習会 2025年8月度」
E07 「SDGs目標2と目標3の学習」 August 15 ,2025
(国連広報センター『前文』、外務省『JAPAN SDGs Action Platform』、内閣官房外務省『自発的国家
レビュー(VNR)2021年6月』を元に作成)・(補足情報:日本は今年7月、4年ぶりにVNR2025を国
連に提出しているが、今年のSDGs環境学習会は、前回のVNR資料を継続使用する。)
1.SDGs【目標2.】:「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び影響改善を実現し、持続可能な農業を促進する」
2.SDGs【目標3.】:「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」
ターゲットとグローバル指標の詳細は、別添資料を参照願いたい。今月の学習会では、国連の進捗評価で「目標2の飢餓ゼロの目標は、危機に瀕している。」、という問題を「難民問題」から考えてみたい。
難民問題を支援している国連UNHCR協会の推計によると、2024年末、迫害・紛争・暴力・人権侵害などにより、住んでいた地を追われた人の数は1億2320万人に達した、と公開された。前年よりも700万人増えている、という。ほぼ日本の総人口にあたる人数の難民がいる、という現状だ。今日においても、残念ながら紛争は無くならず、これに気候変動による災害が加わり、難民や避難民が、年々増える傾向にある。地域的には、「・スーダン(アフリカ):2023年に首都ハルツームでスーダン軍と準軍事組織「支援部隊」の武力衝突が発生、エスカレートし、他の都市へも急拡大、何百万人もが避難を強いられ、世界最大規模の人道危機を引き起こしている。国内避難民910万人。・ミャンマー(東南アジア):2021年軍事クーデター後、内戦が続き、2023年に戦闘が激化、多くの人が避難、国内避難総数は333万人以上。・アフガニスタン(南アジアと中央アジアにまたがる地域):アフガン難民640万人・ウクライナ(東ヨーロッパ):ロシアとの戦争前の人口推定6分の1が国外へ流出。2024年5月時点で、国内外で推定1000万人以上が避難を強いられている。・コンゴ民主共和国(アフリカ中央部):武装グループ間の対立、民間人への暴力、2024年4月時点で、109万人以上が国外に逃れ、720万人が国内で避難。・ソマリア(アフリカ東端):武力衝突と治安の悪化、ソマリアは政治的に不安定の上、紛争や干ばつ・洪水などの災害が起こっており、紛争で67万人、災害により200万人が国内で新たに避難を強いられている。・ハイチ(中南米):ギャングの無差別暴力により人権侵害が急増、2024年6月時点で57万人以上が国内で避難を余儀なくされている。・ベネズエラ(中南米):2023年末時点、国外へ逃れた人々は610万人に達した。・南コーカサス地域(黒海とカスピ海の間にある山岳地帯で、ヨーロッパとアジアの境、アゼルバイジャン・ジョージア・アルメニアの3国):武力衝突により14万人の難民がアルメニアに避難。・シリア(中東):シリア紛争は、2011年民主化を求めるデモをアサド政権が武力弾圧したことが内戦化の始まり、内戦は長期化し、多くの民間人が犠牲になり、国内避難民や難民が大量発生することになった。国内避難民720万人と難民庇護希望者が650万人いる。」
紛争は難民を生む、今日・明日の食べ物に困る難民や避難民が増えていることは、住みにくい国や地域が増えていることを意味する。また、気候変動による災害も難民や避難民を増やしている。世界銀行は、2021年9月13日に発表した報告書『大きなうねり』の中で、「気候変動が原因で、2050年までに世界の6地区で2億1600万人が国内移住を余儀なくされる懸念がある。」としている。これらのことが、「飢餓ゼロの目標は危機に瀕している」、という国連の評価報告の背景にある。
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