庚申塔写真 撮影日記(その1) 左側とはどっち?
公開日:2023年09月03日 最終更新日:2023年09月20日
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皆さんは下の写真をご覧になり、どちらを「左」と言い、どちらを「右」だと思いますか? |
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下の写真は世田谷のボロ市に遊びに行った時(2016年12月)に世田谷区立郷土資料館に遭遇、入口の付近で4基の庚申塔を見つけ、すかさず写真を撮って帰った4基の内の1基の写真です。 | ||||||||||||||||||||||||
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この写真をご覧になって「庚申塔」と文字が彫られている面は正面だと迷わず答えられるでしょう。 |
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そして、A側を左側面、B側を右側面と即座に答えると思います。私たちも同じように考えていて左右については気にも留めていませんでした。 | ||||||||||||||||||||||||
しかし、その考えは甘かったのです。次の写真は、上の庚申塔の写真の側面です。 | ||||||||||||||||||||||||
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私たちは、A側を左側面、B側を右側面として掲載しました。そして数枚角度を変えて撮った写真から、各側面に刻まれた文字を解読し、それぞれ見たままの説明を付けました。 |
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その上で、念のため庚申塔の後ろにあった世田谷区立郷土資料館の説明板を読んでびっくり! 私たちとは左右が逆なのです。 |
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日常生活において、友達から「右足が痛くて!」と電話をいただけば、痛い方の足は下の絵にある右足の方と直ぐ想像が出来ますよね。 |
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例えばパソコンの場合でも右側と言ったら、向かって右側を右と考えますよね。富士通パソコンの説明でも、パソコンに向かっての左右を右側・左側と説明していました。 | ||||||||||||||||||||||||
上は富士通パソコンのマニュアルを拝借して作成した図ですが、富士通の場合、 |
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これが左右の常識かと思っていましたが世田谷区立郷土資料館の考えでは「ノー」だったのです。 | ||||||||||||||||||||||||
世田谷区立郷土資料館は、庚申塔に向かっての左右で無く、足と同じく本人(=庚申塔)を主体にし、見る側から見た左右では無かったのです。 |
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もしも世田谷区立郷土資料館の考えが「正しい」となれば、私たちは今まで掲載した写真の左右を入れ替えなくてはなり、修正は大変な作業量となってしまいます。 | ||||||||||||||||||||||||
そんな作業はやりたくない一心で、もしかしたらこの表示は単なる手違いかと、世田谷区立郷土資料館に問合せしましたところ、「左右表示は正しい」と答が返ってきたのです。 |
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ならば他所も世田谷区立郷土資料館と同じ考えか検証してみることにし、手持ち・図書館にある本、庚申塔が掲載されているHPを改めて調べて見ました。 |
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結果、意外なことに、左右の定義がキチンと書かれているものは見つかりませんでした。側面の説明がある書物、例えば、埼玉県庄和町教育委員会(現春日部市教育委員会)発行「石造物Ⅰ-南桜井地区調査-」/春日部市教育委員会発行「春日部市神社(上巻)」でも;- |
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と「右側を(右)、左側を(左)・・・とした」とか、凡例で寸法の測り方こそ示しても「本塔右側面」「本塔左側面」でいう側面がどちらなのかを示す「右側面」「左側面」の位置図までは明確な定義がされていませんでした。 |
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やむを得ず、書物に記載されている庚申塔の実物を探し説明と照合した結果、両書物共見る方から向かって右が右側面、左が左側面であることが確認できました。 |
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同様に、ホームページに掲載されている庚申塔についても調査してみましたが、左右の定義の記載は見つからず、側面の写真がある記事は実物と左右表示が一致していることを確認出来、こちらも私たちと同じ表示でした。 |
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以上の検証の結果、私たちの考えは間違っているとは言えず、また1基ごとに必ず側面の写真を添えているのでご覧になる方に誤解を招くことは無いと考え、この時点までに掲載した庚申塔の左右入替の必要は無しと判断、その後も従来形式で掲載を続行することで現在に至っています。 |
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世田谷区立郷土資料館の各庚申塔の説明板は世田谷区立教育委員会が作成・掲示したようです。 |
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ならば、公的機関の教育委員会ですから、紛らわしい表示をしないよう教育委員会同士で話し合い、左右の考え方くらいは統一見解の下で、説明を加えて欲しいものですね。 |
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長々と述べましたが、皆様には現実は考え方の相違があることを知っていただき、その上で書物・ホームページをお読みいただきたいと願い、ご参考までに本ページを作成しました。 |
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※ 大場 村社香取神社境内 2基 の内の1基は三猿のお猿さんが2ヵ所もある珍しい庚申塔です。是非クリックしてご覧下さい。 | ||||||||||||||||||||||||
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