「桐の会(ポロウニア・クラブ)」会報 環境学習:E12 2025年10月度 「永遠の化学物質の環境汚染」
公開日:2025年10月15日 最終更新日:2025年10月15日
■桐の会 会報 :「環境学習会 2025年10月度」
E12「永遠の化学物質の環境汚染」 October 15 ,2025
(環境省「PFASハンドブック」、ロバート・ビロット著 旦 祐介訳『毒の水』花伝社2023年第2刷、沖縄県HP「有機フッ素化合物」、国際環境研究所HP2025年7月24日掲載唐木英明『デュポン社のPFOA裁判』等を元に作成)
PFAS(ピーファス)は、日本では汚染化学物質としての認識が低い。PFASの危険性は、21世紀初頭に明るみになった新しい環境汚染問題である。
PFASとは、有機フッ素化合物の総称、20世紀半ば頃にでてきたペルフルオロアキリル化合物及びポリフルオロアキリル化合物のことで、その種類は10000種類を超える。耐熱性・耐油性・耐水性に優れ、世界中の製品に用いられるようになった。焦げ付かないフライパン、炊飯釜、油っこい食べ物を包む包装用品、撥水加工の衣類やタッチスクリーンをすべりやすくするのに使われている。外部作用に強いこの合成化学物資は自然界で分解するのに数千年を要すると推計され、「永遠の化学物質」、といわれている。
PFASの毒性は新しい環境問題である。訴訟大国でもある米国では、人の健康に関する危険性がある問題として対策を進めている。現在、米国のPFAS飲料水基準値は2024年4月に改訂され、PFOS・PFOA各々4ng(ナノグラム)/ℓ、PFHxS・PFNA・GenXが10ng/ℓ。日本と米国は水質基準のレベルが桁違いに違う。日本の水道水は、PFOS・PFOAの合計値50ng以下で、2026年4月の施行予定である。「50ng対4ng」、水質基準差異は不明だ。 ([注記] 1ng(ナノグラム)は、1gの10億分の1)
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