「桐の会(ポロウニア・クラブ)」会報 街の散策:12「都鳥の碑文と春日部八幡神社参道」
公開日:2025年04月18日 最終更新日:2025年04月18日
■ 「桐の会(ポロウニア・クラブ) 会報 街の散策
[ 街の散策からの気付き発見 ]
12 「都鳥の碑文と春日部八幡神社参道」 Sep.2024
春日部神社表参道の入口に都鳥の碑文がある。伝承は、伊勢物語の第九段、在原業平の東下りに、武蔵国と下総国の境にあった隅田川の渡しで、川岸にいる白い鳥で、くちばしと脚の赤い鳥をみて渡し守にその名を聞くと、「都鳥」と答えた。業平は、都(京都)のことを思い出して歌を詠んだ。
「名にしおば いざ言問はん都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」
この業平の都鳥の故事を後世に遺そうと、嘉永6年(1853)5月、粕壁宿の名主ら千草正三位源有功に依頼し、由緒を碑に表した、と伝わっている。
嘉永6年(1853)の世相は、日本との交易を求めてアメリカ東インド艦隊司令官ペリーが浦賀へ来た年だ。このような時期に何故、粕壁宿の名主達は都鳥の故事を碑文にして残そうと思いたったのだろうか、その経緯は不明である。また、「都鳥」の故事は東京都墨田区にもあり、どちらが史実の地かは不明のままである。
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